楽園へ。
ちょっと早めに夏休みをとらせていただいた。
一週間ほど、両親の隠棲先に厄介になる。
本来の地元である京都市内で、まあ、旧友たちに会いたいという気分もあるにはあるが、あんなただでさえクソ暑苦しいところに、まして、今年は日本一暑いと噂の街に、わざわざ滞在したくはない。
私は柴崎が好きだ。
東京で住処を探す時、柴崎に落ち着いたのは偶然だったが、その偶然は幸運だったと、本当に思っている。
それでも。
私は、両親が選んだこの隠棲の地を、楽園と呼んで羨むこと尽きない。
楽園というと、全てがハッピーなバカ丸出しの気持ちいいだけの場所だというニュアンスが入るかもしれない。そうではない。
自分が、本来、どういう生き物だったかを再認識できるエデンの名残を感じるのである。
無論、たまに覗きにくるからそういうことを言うのであって、やはりここにはここの、しがらみもあれば不便もあるだろう。
そんなことわかってるよ。
そこまで幼稚じゃないつもりだよ。
ただ、
この空気ひとつ、
この夕空ひとつ、
この静けさひとつ、
この、生き物たちとの距離感ひとつ、
どれひとつをとっても、私はここに楽園を意識できる。
私は、人間であり、動物であり、いきものだ。
大昔に齧った知恵の実が、肚の中ですっかり腐ってしまった今でも、その事を忘れずにいさせてくれるこの大地に感謝を。
追伸。
今日からの一週間で、5キロほどぶり返すと思う。
なに、痩せる事なんかいつでもできる。
今は、ただ、命をたのしもうと思う。
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